独立行政法人 農業者年金基金

JA全国女性組織協議会(JA女性協) 大川原けい子会長

中園理事長との対談から。役職は対談を行った平成26年3月時点のもの


JA全国女性組織協議会(JA女性協) 大川原けい子会長
おおかわら・けいこ
昭和25年福島県生まれ。昭和45年兼業農家に嫁いで就農。現在、米5ヘクタール・野菜20ヘクタール、転作でソバを栽培。猪苗代町農業委員。平成25年5月からJA女性協会長に。平成26年3月、農業者年金基金の広域推進協力員に就任。

~早めの周知で息子さん・お嫁さんの加入も農年の加入が仕事の励みに~


中園理事長
おかげさまで女性農業者の新規加入も増えてまいりましたが、まだまだ、農業者年金の制度をご存じでない方もおられるようです。農業者年金の加入推進について、ぜひ女性農業者や若い農業者の背中を押していただきたいと思っています。

大川原会長
私も農業者年金は必要だと思っています。加入期間の問題もあるので、できるだけ早くお知らせする機会をつくって、家族で農業に従事している方々の息子さんやお嫁さんなどに加入してほしいと思います。後になって、もう少し早く教えてくれれば入れたのに、というのではもったいないと思います。

中園理事長
実は私もそれを最近感じています。親の世代が息子さんやお嫁さんに、農業者年金の加入を勧められて、「少し保険料を援助するから」と伝えたら、若い後継者の農業に取り組む姿勢が変わってきたとうかがいました。やはり、農業者しか入れない、農業者のための年金制度に、自ら入るというのは、農業に対する覚悟というか、やる気が変わる効果もあるようですね。

大川原会長
それはあると思います。誰でもほめられたり、任されたりすると、やりがいが違いますよね。

中園理事長
加入している方々からは、国の補助もあり、保険料の全額社会保険料控除もあるいい仕組みで、何よりも安心な年金というところがいいというお声をいただいています。

大川原会長
私たちの年代で、加入していた人は今すごく喜んでいます。国民年金の上乗せ年金の農業者年金があると、年金を家庭にも還元できて、家族にもよろこばれます。だから、こういういろんなことを学んだら、地域の人に教えてあげなくちゃいけませんね。加入できなくなる年齢の前に知らせてあげて、仕事の励みにしていただきたいと思います。

中園理事長
農業者を支援する仕組みは様々かもしれませんが、農業者年金もひとつの選択肢として選んでいただけるよう、農業者の皆さんにご理解をいただけるようにしたいと思っています。
国が農業者を支援するための政策の一環としての政策年金であるということを粘り強く説明させていただき、加入を勧めていきたいと思います。

~介護で増す女性の負担 農年で経済的負担軽減を~


大川原会長
農村にいると高齢化がどんどん進んでいると感じます。農村は、都市部の高齢化を先取りしていると言われますが、私の住む福島県の会津でも高齢化は深刻です。特に、介護の問題はどうしても女性の負担が大きくなりますので、将来を見据えた準備が必要だと感じています。
例えば、地域には農業者年金に入っている人、入っていない人がいますが、先日、ある人から「舅(しゆうと)が農業者年金に入っていたので感謝している」という話を聞きました。農業者年金は介護に伴う家庭の経済的負担を和らげてくれることもあるのだと思いました。

中園理事長
ある女性農業者の方に、「介護費用もけっこうかかる」とうかがいました。そんなとき、おばあちゃんが紙に包んだ年金を渡され、「とてもうれしかった」というお話をうかがいました。

大川原会長
私自身、親を介護した経験がありますが、介護保険だけでは、足りない部分をどうやって工面するかは心配の種でした。私もいつまでも元気でいられるわけではないので、介護を受けることも視野に入れ、しっかり準備しておく必要を感じています。

中園理事長
現行制度は、農業者であれば広く加入できるようになりました。また、少子化を見据えて積立方式になったので旧制度に比べ「安心感」の面でも格段に良くなったと思います。農家にとって保険料の支払いは気になるところですが、額を月額2万円~6万7千円の範囲で自由に決められたり、全額社会保険料控除の対象になったりするのは大きな魅力の一つです。
ただ、現場ではそうした新しい農業者年金制度の良さを知らない人がいるのも事実です。国民年金の年金額は夫婦2人40年加入の場合で月額約13万円。夫婦2人が老後に必要な現金支出のおよそ6割ということで、国民年金だけではやはり老後生活に不安を感じる方も多い中、国民年金の上乗せができる農業者年金の重要性はますます高まっていると思います。

大川原会長
特に女性は、男性に比べて平均寿命も長いので、将来への備えをきちんとしておく必要があります。JA全国女性組織協議会としても、ライフプラン研修などを活用して、国民年金に上乗せできる公的年金があることを伝えていかなくてはいけないです。

中園理事長
私も、まずは知っていただくということが大切だと思っています。知らないと、なかなか自分でお金を積んで出すということが難しい。
実はまだ4割くらいの方が、農業者年金制度のことをよく知らないというアンケート結果もありますので、国の保険料助成や、税金の優遇措置など、農業者年金のメリットを知っていただき、そして、選んでいただけるようにしていかないといけないなと思っています。
女性農業者や若い農業者の方が選べるところに農業者年金を置いてあげないといけないと思っています。
その意味では私どももまだ力不足ですので、大川原会長にリーダーシップをとっていただいて、ご協力を願えればと思っています。

大川原会長
若いうちは、家計も厳しく、毎日が忙しくて、先々のことを考えたり、お金のことを家族で話すのは、難しいこともあります。
しかし、老後に年金という形で収入が保障されていることは、何より家庭を円満にしてくれると思います。「農年で家族が円満」を合い言葉に今後、農年を知っていただく取り組みに協力していきたいと思います。
また、日々の営農の中から、農業所得を少しでも向上することで、農業者年金の掛金も支払えるし、将来も見通せるものです。農業者年金基金さんにも、側面から農業所得の向上に向けた支援もお願いしたいです。

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