経営移譲年金の支給停止措置は、受給権者又は経営移譲に係る農地が経営移譲年金の狙いからはずれた状態にあるとき、その状態が続いている間、年金支給を停止する制度で次のタイプがあります。
なお、経営移譲年金の全額が支給停止となった場合は、特例支給の農業者老齢年金が支給されます。
- 1) 受給権者が60歳未満である間
- 一般の退職年金制度での「若齢停止」と言われているもので、少なくとも60歳までは農業者として農業経営に励んでもらい、年金は60歳になってからにするという趣旨から制度化されたもの(一定の障害者等については行わない)
- 2) 受給権者が農地等を取得したり、貸し付けていた農地等の返還を受けて農業を再開したとき
- 一般の退職年金制度での「再就職停止」と言われているもので、
- 後継者に経営移譲した受給権者の場合は、規模に拘わらず支給停止、
- 第三者移譲の場合は、自留地規模を超える農地等につき農業を行う者となったとき支給停止
- 3) 農地所有適格法人の構成員(組合員、社員又は株主)となったとき(上記2)と同じ状態となったと判断される)
- 4) 後継者に使用収益権を設定して経営移譲した農地等が返還された場合や使用収益権の設定又は移転があった場合は農業の再開の有無に拘わらず支給停止となる
- 使用収益権の設定による経営移譲の場合には、親に農地等の所有権が留保されているため、経営移譲後において当初の目的である農地保有の合理化に反する事態が起こりやすいため、これを防止するために制度化
なお、後継者が一定の障害の状態になったため等の場合や農業用施設用地とするため等一定の事由に該当する返還を受けた場合は支給停止とならない
本来、加算措置は、経営移譲された農地等を農業専従者に集積させていくことを目的とするものです。
一方、使用収益権の設定により経営移譲された農地等は再び受給権者に返還されること等が起こりうることから、返還等された農地等を再び特定譲受者に対して処分することを誘導する必要があり、このため、加算額の支給停止措置が設けられております。