独立行政法人 農業者年金基金

全国女性農業委員ネットワーク 船ヶ山美津子会長

中園理事長との対談から。役職は対談を行った平成26年3月時点のもの


全国女性農業委員ネットワーク 船ヶ山美津子会長
ふながやま・みつこ
昭和24年宮崎県生まれ。昭和47年結婚とともに就農。平成19年に法人化し、現在茶11ヘクタール、露地野菜10ヘクタールを経営。宮崎市農業委員5期。平成23年3月から全国女性農業委員ネットワーク会長に。平成26年3月、農業者年金基金の広域推進協力員に就任。

~女性は男性より長生き 農家の女性に農年は強い味方~


中園理事長
農業者年金は、国の政策年金としてさまざまなメリットがある制度です。必ず、農業者の皆さんに将来喜んでいただけると思っています。知らないまま入れず、老後になってから、「どうしてももっと早く教えてくれなかったの」という思いをされることだけは、避けたいと思っています。
特に、男性より平均余命の長い、女性にとって、老後生活の支えとなる年金はとても重要です。農業委員の皆さん、とりわけ女性の農業委員の皆さんに、ぜひお力添えをいただきたいと思っています。

船ヶ山会長
「農業委員になって、一番したいことは何」と聞かれたとき、「女性の老後」と真っ先に思いました。農家の女性に年金は絶対必要だと思ったんですね。
農家は食料は自作だし、住む家もあるので老後への関心が全般に薄いと思います。特に男性にその傾向が強いようですね。でも女性はそうはいかない。平均余命が男性より5年長く、夫が亡くなった後、一人で暮らす時間もかなりあります。こうした間、ある程度自由になる生活資金がどうしても必要だと思います。
お金がないと友人などと交際ができなくなり、急に老け込むこともよくあります。子どもたちにお小遣いをもらうのも気が引けるものです。そうしたときに国民年金にプラスアルファの農業者年金は強い味方になると思います。

中園理事長
農業者年金は将来の自分の年金を自分で積み立てる「積立方式・確定拠出型」の年金なので、安心だというお声をいただいています。また、国の政策年金として、一定の要件を満たせば国が保険料の一部を補助する仕組みがある唯一の年金です。保険料の全額社会保険料控除もあります。加入している方々から、いい仕組みだという声をいただいています。
国の保険料補助を受けて加入する「政策支援加入」を選ばれた方々のうち、約7割が家族経営協定を活用してご加入いただいた方々です。近年、新規加入者に占める女性農業者の割合も増えてきています。


~良い制度だが若者に知られていない 加入推進は組織活動の大きな柱~


船ヶ山会長
女性農業委員の組織は現在、39府県にできています。農業委員への女性の登用のさらなる促進と並んで、各組織が力を入れているのが家族経営協定の推進です。その関連で農業者年金の加入推進も活動の大きな柱になっています。
課題は、大変良い制度なのに、特に若い人たちにあまり知られていないことだと思います。農業者なら広く加入でき、税制の優遇措置や保険料の国庫助成もあってメリットも多いのに、若い世代の加入率が低いのは残念です。

中園理事長
私も、まずは知っていただくということが大切だと思っています。新規加入者の方にアンケートをとると、実はまだ4割くらいの方が、よく知らなかったと答えておられます。農業委員会やJAの皆さんが制度普及と加入推進に一生懸命がんばっていただいておられることには、本当に頭が下がります。ただ、まだまだ、農業者年金制度の内容がよく農業者に浸透しきっておらず、よく知らないために加入されていない方々もたくさんおられるようです。
農業者年金の仕組みとメリットを十分に知っていただき、内容も理解していただいて、そして、選んでいただけるようにしていくことが何より大切だと思っています。
私たちも「積立方式・確定拠出型」にうまれかわった今の農業者年金を、ひとりでも多くの方々に、地道にご説明していきたいと思います。
農業委員の皆さまにもぜひ、「農業者年金ってこういう仕組みなんだよ」と、ご地元の女性農業者や若い農業者の方々の背中を押していただきたいと思っています。


~家族経営協定の普及と合わせて農年加入推進も~


船ヶ山会長
宮崎市は昨年、東京農業大学の五條満義(ごじょうみよし)准教授を招いて家族経営協定の話をしてもらったのですが、農業委員をはじめ、参加者全員が家族経営協定の普及や農業者年金の加入推進に意欲が高まりました。
また、今年2月には、新規就農した方たちを祝う会を開き、7組が参加してくれました。とにかくご主人の方々ばかりが目立つので、パートナーである奥さんにもスポットを当てて応援するのが一つの狙いでした。若い人たちにも、奥さんへの愛情の形として農業者年金に加入するようすすめており、若い方達に対するアプローチでは、先輩方、受給者の皆さんの協力も欠かせないと思います。農業者年金の受給でいかに充実した老後を送っているかをPRしてもらうのはもちろん、ぜひ息子さん、お嫁さんに加入を勧めてもらいたいと思います。私としては「農年をもらっているのに、息子や娘が入っていないのはおかしい」と言うくらいの気持ちです。

中園理事長
親の世代の方々が、息子さんやお嫁さんに、農業者年金の加入を勧められて、「少し保険料を援助するから」と伝えたら、若い後継者の農業に取り組む姿勢も変わってきたとうかがいました。農業者しか入れない、農業者のための年金制度に、自ら意識して入ることで、農業に対する意欲も変わる効果もあるようです。

船ヶ山会長
子育てをしながら年金の保険料を払い続けるのは、確かに大変なので、そうした親御さんたちの気持ちをひしひしと感じます。全国女性農業委員ネットワークとしても、農業者年金を積極的にPRしていきたいと思います。

中園理事長
ありがとうございます。やはりまず知っていただくことが大切だと思います。将来になって、「なんであのとき教えてくれなかったの」となることほどつらいことはありませんから。
私たちも、農業者年金のことを知らなかったから入れなかったという方がいなくなるよう、あらゆる機会を通じて、農業者年金の普及・啓発に取り組んでいきたいと思います。今後とも、ご支援ご協力を、何卒よろしくお願いします。

ページの先頭へ戻る

ホームへ戻る



本サイトにはPDFのコンテンツが含まれております。
PDFファイルの閲覧にはAdobe Readerが必要です。
同ソフトをお持ちでない場合は、Adobe社のサイトからダウンロード(無償)してください。