独立行政法人 農業者年金基金

全国農協青年組織協議会(JA全青協) 今野邦仁会長

西理事長との対談から。役職は対談を行った令和元年10月時点のもの


全国農協青年組織協議会(JA全青協) 今野邦仁会長
こんの くにひと
昭和52年、北海道上川郡和寒町生まれ。42歳。拓殖大学政経学部経済学科卒業後、会社勤めを経て平成15年に就農。父親を経営主とする家族経営で、現在、秋小麦、大豆を25ha作付けしている。家族は奥さんと子供3人、両親。
令和元年5月より全国農協青年組織協議会会長に就任、同年7月より農業者年金広域協力推進員を務める。

① 農業者年金の加入は、ライフプランを考えるきっかけに


西理事長
今野さんご自身も農業者年金の加入者だと伺っています。そこで、まずは加入のきっかけを教えていただけますか?

今野会長
農業者年金に加入する前は、父親をはじめ、周囲も経営移譲の問題や脱退一時金など旧制度に対する悪いイメージが強く、批判的な意見を言う人が多かったですね。それに、経営面では、経費支出をできる限り減らし、家族経営でどこまで収益を伸ばせるかを考えてきました。生涯現役をめざす営農ビジョンとライフプランを描いていたので、年金に頼るという考えは持っていなかったのです。

西理事長
農家のみなさんは元気ですから、そうした考えを持った人はとても多いと思います。しかし、それでも農業者年金にご加入いただいたということは、今野さんの中で何か転機があったのでしょうか

今野会長
将来、自分が経営主になったときに家族に何か残しておかなければという思いを持っていたからです。これまでも、災害の備えとしては、農業共済に加入していますし、自分に何かあったときの備えとしては、年金付きの生命保険に加入し、自分なりに手厚く準備してきたつもりです。
しかし、農業者年金の説明を聴いて、これまでのライフプランを考え直そうと思いました。私には、妻と子供が3人います。家のローン、教育、病気、介護、農作物被害などに直面したらどうするのか。そう考えたときに、「老後の備え」として国民年金だけでは不十分なのは明らかで、これまでの生命保険に加えて農業者年金に加入する選択をしたわけです。


② 加入メリットの多さが農業者年金の魅力


西理事長
では、今野さんは農業者年金のどんなところに魅力を感じましたか?

今野会長
私は、農業者年金を「金融商品」だと思っています。私の営農ビジョンでは、収入を増やすというより支出を減らして利益を出すことが重要で、その中でも税金の負担が最もネックだと思っていました。その点、農業者年金は、支払った保険料が全額社会保険料控除の対象となるので、とても魅力に感じました。

西理事長
なるほど。経営的な観点から農業者年金の加入を検討されたのですね。これまでのお話を伺っていると、生命保険をはじめ、さまざまな金融商品について勉強されている印象を受けます。そんな今野さんから見て、農業者年金について他に魅力に感じることはありますか?

今野会長
農業者年金は、保険料の額も自由に設定できるので、その時の自分の経営状況に対応できる弾力的で面白い金融商品ですね。
さらに、万が一80歳前に亡くなった場合でも「死亡一時金」という制度があることもわかり、安心して加入することができました。
妻はまだ農業者年金に加入していませんが、いずれ自分のライフプランを考える中で、農業者年金の加入も選択肢のひとつとして検討することになると思います。


③ 時代に合った情報発信で制度の浸透を


西理事長
さて、ここで話題を農業者年金の加入推進に切り替えたいと思います。
今野さんは農協の青年組織の代表として、日頃から若い農業者と接する機会が多いと思いますが、私たちも加入推進をしていく上で、若い人たちに農業者年金を知ってもらうことは、とても重要だと思っています。そこで、普段から若い農業者と接している今野さんから見て、農業者年金は、どの程度若い人たちに浸透していると思われますか?

今野会長
率直に言うと、農業者年金のことを知らない若手の農業者は、沢山いると思います。知らないと言うよりも、そもそも年金について興味を持っていない若手が多いのだと思います。だから、どこかで農業者年金という言葉は聞いたことがあっても、その内容や仕組みまで知ろうとする若手は少ない。そんな印象です。

西理事長
私たちもフェイスブックやメルマガなど、さまざまな方法で若い人たちに農業者年金のことを知ってもらうための工夫をしているつもりですが、それでは、なかなか浸透していかないでしょうか。

今野会長
悪くはないと思います。ただ、押しつけになってはいけないですし、何より興味を持ってもらうことが大事だと思います。
今の若手は、スマートフォンやタブレット端末を使って、いつでも簡単に情報にアクセスできる環境に慣れています。その中でも、若手に好まれるのは、YouTubeなどの動画配信コンテンツだと思います。YouTubeで、農業者年金の制度を「トリセツ」的にわかりやすく紹介したり、他の金融商品と比較してどちらが「お得か」といった発信の仕方をすれば、若手もきっと興味を持ってくれると思います。

西理事長
私たちももっと工夫が必要かもしれませんね(笑)。

今野会長
家族を持てば、嫌でも将来のことを考えなければいけない時がきます。今の若手は、何かのきっかけがあって、そこから興味を持てば、勝手に自分でどんどん調べます。
ですから、「加入推進」という前にまず「理解促進」が重要だと感じています。
農協の青年組織でも、農業者自身が将来のライフプランを考え直すきっかけとなるよう、いろいろな機会にPRをしていきたいと思います。

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