独立行政法人 農業者年金基金

全国農協青年組織協議会 柿嶌洋一会長

全国農協青年組織協議会 柿嶌洋一会長
かきしま よういち
1980年長野県生まれ。4代続く専業農家の長男。JA信州うえだ青年部に所属。農業経営は家族経営で、水稲15ヘクタール、花き2ヘクタール、野菜2ヘクタール他。自らは穀物部門を担い、花き部門を父、妹が野菜部門を担当する。2021年5月より現職、農業者年金広域推進協力員。

①中山間地で規模拡大しながら4代続く農園


理事長
 会長はご出身である長野県上田市で「柿嶌農園」を営まれていると聞きました。どのような経営を行われているのですか。


柿嶌会長
 農園は中山間地にありますが、父親を代表とした家族経営と、集落営農の両輪で営んでいます。父はグラジオラスやスターチスなどの花き栽培に取り組んでいます。私は4種類の酒米をはじめとする水稲15ヘクタールや、ソバ、大豆などの穀物を担当しています。ほかにも、妹が中心となっていますが野菜2ヘクタールやハウストマト30アールなども作っていますよ。


理事長
 多角的に経営されていて、規模も大きいですね。農園にはどのような歴史があるのでしょうか。


柿嶌会長
 曽祖父が始まりですが、炭焼きをしていました。炭を背に担いで町へ売りにいくという、昔話そのままのような世界です。続いて祖父は畜産を始め、牛豚鶏と、全てを育てていました。そして父は、施設園芸でトマトから初めて、今は花きを手がけています。4代目の私は穀物と、世代によって作るものが違いますから、ケンカになることもありません。



②農業者年金を知り一気に進む将来設計


理事長
 会長には、20代とすごく若い時に農業者年金に政策支援でご加入いただいています。加入まではどのような経緯があったのですか。また、国庫補助についてはどうお考えですか。


柿嶌会長
 20代の頃、農業を継ぐために地元に帰ってきた時に、農業委員さんから「柿嶌くん、農業をやるなら農業者年金に加入したほうがいい」と声をかけていただきました。その委員さんから、「要件を満たせば、保険料を半分補助してもらえる。そのような年金は他にはない」とも教えてもらい、「今、入らなきゃ損だ」と判断しました。
 当時は小遣い程度の給料しか得ておらず、何も考えていなかった私ですが、農業者年金を知ったことがきっかけで国庫補助の要件である家族経営協定を結び、政策支援加入を果たし、また自分の結婚も考えるようになるなど、一気に将来設計が進みました。その際、妹も同様に農業者年金に加入しました。

 

③農業者年金を「知らない」はもったいない


理事長
 農業者年金は複利で運用し、給付原資を積み上げていきます。若い時に始めると、積み上げる期間も長くなりますし、早く加入した方の特権ともいえると思います。しかし、まだまだ制度の内容について、「知らない」という声も聞こえてきます。地域の若い人には、どの程度浸透していますか。


柿嶌会長
 「知らない」は、あまりにももったいないです。しかし、今は若い人の間で情報があふれていることもあって、SNSやチラシをパッと見ただけでは、もともと興味がある人以外は制度の内容について深掘りすることまではしないと思いますね。私たちは、JAグループが発行している青年農業者の雑誌を活用した学習会の実施を推進していますし、若い人を対象に学習の機会を設けて、まずは「老後に備えるとは?」というところからしっかり伝えていきたいです。


理事長
 なるほど。農業は現役生活も長いので、特に若い人は老後生活を意識しづらいのかもしれません。しかし、農業者年金の高い節税効果や、預金とは違って、終身で受給できるという点など、多くのメリットがあることも知っていただきたいですね。


柿嶌会長
 農業は70~80歳になってもチャレンジできる仕事です。大きく成功するために投資を続ける人、お金があればあるだけ使うという人もいます。しかし、私にとって、農業者年金は生活の励みになっていますし、地域農業、家族農業を考える最初のきっかけにもなりました。生きていると何があるかは分かりませんし、ぜひ老後に備えてほしいと思います。老後の生活設計を国民年金だけに頼るのは、厳しいのではないでしょうか。



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