独立行政法人 農業者年金基金

全国農協青年組織協議会 佐藤崇史会長

全国農協青年組織協議会 佐藤崇史会長
さとう たかし
1981年岩手県生まれ。JA江刺青年部に所属。建築会社で建築士、土木施工管理技士等を務めたのち、2011年に就農。水稲15ha、大豆10ha、ブロイラー7万2000羽を経営する。
2022年5月より現職、農業者年金広域推進協力員

①ご自身の農業経営について


理事長
 水稲や大豆、ブロイラーと手広くやられていますが、今の農業の経営状況についてお話しねがえますか。


佐藤会長
 水稲の栽培の部分は家族経営、大豆、ブロイラーは法人化して経営しています。大豆は、集落営農を農事組合法人に切り替え、法人の下に担い手組織を作り、作業を行っています。ブロイラーは20年位前に法人化しており、現在は全農チキンの契約農場として経営しています。


理事長
 多角的に経営されていて、ノウハウの蓄積もあると思いますが、担い手の育成はどのようにされていますか。


佐藤会長
 大豆の部分は、集落営農から続いており、地域の若手生産者が入ってきているのでなんとか回っていますが、私たちの次の世代の育成を早めにやらないといけない。水田や土地、地域を守るうえで事業継承は大事なことなので、常に後継者対策をやり続けることが大切だと考えています。


②農業者年金は早く加入した方がいい


理事長
 今回、農業者年金にご加入いただきましたが、農家の方から見て農業者年金の魅力はどのような点にありますか。


佐藤会長
 農業は生涯現役が可能な職種ですが、私たちの世代は辞める時期を意識しており、ライフプランの一部として老後への備えは極めて大事だと考えています。農業者年金の立ち位置は、そこにあるのだろうと思っています。
 恵まれている国庫の支援や、保険料の金額の自由度が魅力的です。私自身ももう少し早く加入していれば良かったなと思いました。
 早めに入ることで大きなメリットを得られるのが農業者年金の特徴ですが、若い時はお金がないのがネック。家族経営であれば、経営主が後継者や子供の分の保険料を払ってあげられたらいいのにと思います。保険料を払ってあげるというのは、後継者の育成にも繋がるので、そのようなアプローチも必要だと思います。


理事長
 農業者年金は、同一生計の家族分の保険料も全額社会保険料控除となるので、経営主が後継者や子供の分の保険料を払ってあげるというのは、ものすごくお得になるので活用していければ良いと思います。

 

③農業者年金を広く周知するには


理事長
 農業者年金の新規加入者にアンケートをとると、ほとんどの方が農業者年金を知らなかったと答えています。会長ご自身は農業者年金をご存知でしたか。


佐藤会長
 JA青年部の役員もしてきましたので、農業者年金に関する説明を受けたり、紹介を受けた回数が多かったりしたので、知っていました。ただ、窓口に行った際に、詳細な話を聞こうとは思いませんでした。


理事長
 若い方は、年金に対して加入した方がいいと思っているのでしょうか。それとも国民年金だけで良いと考えているのでしょうか。


佐藤会長
 年金制度自体をあまり信用していない方が多いかもしれません。ただ、年金を重要だと思っていないわけではないですが、国民年金を支払うだけで精一杯という若手農業者が多いのが実情です。農業経営が安定してから加入しようと思い留まっているのが現状だと思います。
 自分の収入がない時に、自分で払おうとするから厳しくなるのであって、自分の収入があるときに次の世代の為に保険料を払ってあげられれば、一番いい循環になっていくと思います。これから農業、後継者が続くというところに年金の役割が生かされると思います。


理事長
 農業者年金のPRについて、何か効果的に感じるものはありますでしょうか。


佐藤会長
 様々な人の属性に合わせた資材やシミュレーションを作り、加入対象者が簡単に加入後をイメージできるようにした方が良いのではないでしょうか。「年金に入った方がいいですよ」だけでは、「いつ入れば良いのか」が分かりづらく後回しにしてしまう。「いま入らなければいけない理由」を分析することで、何かしらのヒントが出てくると思います。
 JAグループも情報発信はしてくれているので、若手生産者たちの近くまで情報は届いているはずですが、自分事として受け止められていないのだと思います。青年部のリーダーとして、農業者年金の情報を一度手に取り見たうえで親に相談してみたらどうかと勧めていきたいと思います。


理事長
 年金に興味を持ってもらうには、身近な人、JAや農業委員の方などの知っている人からというのが大事になりますね。


佐藤会長
 持続可能な農業を実現するためには、持続可能な自分たちがいないといけないと思っています。そのためには、自分たちの人生が持続可能なものでないと意味がありません。そのためにも農業者年金は重要なので、是非協力させていただければと思います。



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