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京丹波町農業委員会 永武幸子専門幹

京丹波町役場職員
2019年4月より、農業委員会事務局(農業者年金担当)
2020年4月より、京都府農業委員会等職員研究会会長
2023年8月より、全国農業委員会職員協議会会長
2024年11月より、農業者年金広域推進協力員
①農業者年金は“メリット”しか感じない。老後の備えは絶対に必要
理事長
改めて、農業者年金に魅力を感じている点などを教えていただけますでしょうか。
永武専門幹
農業者年金は勉強すればするほどメリットしか感じません。iDeCoやNISAもありますが、それらと比較しても農業者には農業者年金が一番いいなと思っています。私も役場の職員を退職後、農業者年金に加入しようと思っていたのですが、加入できないことが分かって、本当に落ち込みました。それくらいメリットのある制度だと思います。
自分自身、夫と早くに死別したのですが、その当時、先々の収入や老後生活などを含めて不安を感じ頭が真っ白になった経験をしました。一人残されたとき、女性であってもしっかり備えられていれば、少しでも不安を和らげることにつながるので、絶対に老後の備えは必要だと思います。加入推進の際には、自分自身が実際に経験したことを踏まえて話すようにしています。
理事長
農業者年金の加入推進に力を入れていただいていますが、何かキッカケはあったのでしょうか。
永武専門幹
私が農業委員会事務局に着任した当時は、農業委員会事務局の活動が全くできていませんでした。京都府農業会議さんからも「周回遅れですよ」と言われていたので、まずは皆さんと同じ土俵に立ちたいと思ったことがキッカケで活動し始めました。
理事長
そのような状況下では、体制作りもご苦労されたのではないでしょうか。
永武専門幹
そうですね。長く公務員をやっているので、様々な部署を経験して多くの人達と接してきました。その経験からまず農業委員さん、農地利用最適化推進委員さんたちの気持ちを動かすことが大切だと思いました。「あんたが言うんやったら動こうか」と言われた時は、本当に嬉しかったです。色々な経験の中で得た人脈や繋がりが、ここにきて功を奏したというのもあると思います。
②農業者年金を推進するためには、現場が動きやすいようにすることが大切
理事長
農業者年金を推進するに当たり、工夫されている点も様々あるかと思います。農業委員会事務局の立場として特に力を入れていることはどのようなことでしょうか。

永武専門幹
委員さんの中には、「どうして農業委員が年金を勧めなければならないの?」と仰る方もいます。そういった時は、なぜ推進するのかという根底の説明もしますが、具体的にいつまでに何をすればよいかを明確にする資料を作成し、提供することも心がけています。
京丹波町農業委員会は事務局が二人体制なので、合計41人の農業委員さん、農地利用最適化推進委員さんをサポートすると考えた時に、事務局側も負担が大きいと続きませんし、現場の委員さんも資料を確認することで町の様々な担い手を把握することができれば、お互いに良いのではと思っております。
理事長
事務局としての姿勢を示すことも大切ですよね。

永武専門幹
最近は、事務局職員が2~3年で異動するケースが多くなっています。そうすると、農業者年金に限らず、農業委員会の業務全般に対する職員の経験がうまく引き継げていないということが実際にあります。そうなると、事務局が委員さんに対して的確に事務をお願いできないケースが多いと思いますので、職員向けに何か研修が必要なのではないかと思い、京都府農業会議さんと協力して、今年度から新たに府内の農業委員会職員向けの実務研修を始めています。
事務局がどのように動くと効率的か?などについて皆さんと意見交換をしながら、お互いの良いところを共有しています。
理事長
他の市町村がどのような取り組みをしているのかは、皆さん気になるところです。有意義な研修になることを期待しています。
③農業者年金をもっと広めるために
永武専門幹
京丹波町は中山間地域にあり、若手農家が少ないです。そういった環境でも、今年度は既に4人の方が農業者年金に新規加入しました。やはり、地道な活動というのは重要で、農業者年金という名前を広めていくと、忘れた頃に声をかけてもらえることもあります。農業者年金をきっかけにして、地域計画などの他の業務の確認をしていただくことも出来るので、そういった意味ではまだまだ活動の余地は全国的に大いにあるのではないかと思っています。
理事長
各地で研修を開かれたり、他市町村が京丹波町へ視察に来ることもあると伺っています。
永武専門幹
この間も、京都府舞鶴市で農業者年金の講演をさせていただきました。長時間の研修でしたが、ありがたいことに参加者の皆さんから楽しかったと言っていただけました。また、農業者年金以外のことで京丹波町へ全国から視察に来られた際も、必ず農業者年金の話をするようにしています。視察の対応には農業委員さん達も同席するので、「事務局が頑張っているんだから協力的にならざるを得ない。」と言ってくれています。それを見た視察や研修に来ている農業委員さん達も共感してくれます。京丹波町は決して恵まれた事務局体制ではないですが、視察や研修にたくさん来ていただける理由として、「京丹波町に行くと自分たちも実現が可能なのではないか、と前向きな気持ちになれる。」と言っていただけます。

理事長
皆さんそういう気持ちになるのですね。永武さんのそのお気持ちを全国に広めていっていただければと思います。そこからどんどん伝播していけば、より一層、皆さんの意識が高まっていくと思いますので、ご協力よろしくお願いします。
