独立行政法人 農業者年金基金

全国農協青年組織協議会(JA全青協) 山下秀俊会長

中園理事長との対談から。役職は対談を行った平成26年3月時点のもの


全国農協青年組織協議会(JA全青協) 山下秀俊会長
やました・ひでとし
昭和49年長崎県生まれ。酪農学園大学短期大学部卒業後、20歳で就農。21歳から27歳まで会社勤務。搾乳32頭、育成15頭のほか繁殖牛10頭飼養。平成25年5月からJA全青協会長に。平成26年3月、農業者年金基金の広域推進協力員に就任。

~34歳で加入 確定拠出型の積立方式、税制優遇、保険料補助が魅力~


中園理事長
山下会長は会社勤めの経験もお持ちですが、農業者のための老後の備えについてどうお考えですか。

山下会長
私は農家の息子なので、いま40歳でちょうど20年目です。学校を出て一時期は会社勤めをしていたので、厚生年金にも入っていたときがあり、社会保障の重要性を肌で感じていました。
サラリーマンは給料天引きという形で保険料を納め、若いうちから老後に備えています。農家はそうしたことがないので意識して年金に加入する必要があると思います。

中園理事長
農業者年金に加入されていますが、どのような点に魅力を感じておられますか。

山下会長
農業者年金の新制度には後継者として34歳から加入しました。親世代の方々から旧制度について余りいい話を聞かされていなかったので、新制度が確定拠出型の積立方式に切り替わったことは大きな魅力でした。
また、保険料の全額社会保険料控除など税制面の優遇措置は実質的に高い利回りにつながるなど、民間の個人年金にない有利な仕組みだと思います。
一定の要件を満たせば国が保険料の半分を補助する仕組みがあるというのはほかの年金にはないことで、とても手厚いと思います。
農業者年金は日本の食料・農業そして地域社会を担う若手農業者に対する国からの後方支援ではないでしょうか。

中園理事長
この前、某県の某JAにうかがい、青年部の部長さんと副部長さんにお会いしました。部長さんは加入者でしたし、若い方の皆さんで一緒に勉強されていて、積立方式・確定拠出型年金の農業者年金のことをよくご存じでした。

山下会長
毎年2月に青年部の全国大会をしていて、日比谷公会堂に1500人集まるので、若い農業者にPRする方法はいろいろあると思います。
今年は農業者年金の紹介ビデオを流しましたが、あれはよかったと思います。

中園理事長
やはりまず知っていただかないと、将来になって、「なんであのとき教えてくれなかったの」となることほどつらいことはありませんから。

~農年は経営・生活を長期で考えた場合、最適な老後保障の仕組み~


山下会長
私は長崎で酪農を経営しておりますが、平野の少ない長崎では牧草を作付できる面積も大きくなく、無理のない経営を行うためには、その地域にあった適正規模の経営が大切だと考えています。私の場合は、品質を高めることで生乳の単価アップを図り、収益を確保する方向です。過重な労働を避け、家族と過ごす時間を大切にする酪農を目指しています。
そうした経営を考えると自然に老後の備えをどうするのか、どんな年金に加入しておけば良いのかが見えてきます。農業者年金はまさに農業経営や農家生活を長期のプランで考えた場合に、最適な老後保障の仕組みと言えるのではないでしょうか。

中園理事長
積立方式・確定拠出型にうまれかわった今の農業者年金を、ひとりでも多くの方々に、地道にご説明していきたいと思います。

山下会長
私も理事長にもお会いし、広域推進協力員にご指名いただきましたのでこれはしっかり伝えていかなければならないと思います。

中園理事長
親世代の方々が若い世代を少し後押ししていただいて、「子育て中だから半分くらいは」と助成してあげたら、後継者の目の色がかわったと伺いました。
農業者年金は経済的な面だけでなく、農業への思いも引き出すいい仕組みなんだなと思いました。自分が農業で生きるんだということへの決意が高まったようです。
できるだけ広く、こういういい制度がありますよと広報活動を行いながら、個別にひざづめで加入推進の取り組みを進めていきたいと思っています。

山下会長
「農業者の方なら広く加入できること」「少子高齢化時代に強い積立方式の確定拠出型年金」であること、「保険料の全額社会保険料控除」が魅力ですね。

中園理事長
40代の方々が加入されるときのきっかけは、税制の優遇措置とおっしゃる方が多いですね。月払いの方が、11月15日までに手続きをして、翌年分を前納されると、その年は2年分の保険料を全額社会保険料の対象にすることもできます。

中園理事長
長崎県の大村市周辺では、農業者年金に加入されている方々が多いですね。専業の方々は「農業をはじめたら農業者年金」という感覚の方が多いのではないでしょうか。

~若手農業者に広くPRを~


山下会長
農業者年金には、〝普通〟に加入するという感覚ではないかと思います。農業者にアピールできる部分は一緒にやらせていただきたい。私たちJA青年部がやっているのは若手農業者が参加するイベントばっかりですので。それに加入は1年でも早いほうがいいですから。
農業者年金は国がバックアップする大変良い制度なのに、農村現場で余り知られていないことがネックだと聞きました。青年部の人たちは日々の取り組みに追われて、なかなか老後をじっくり考えることがありません。毎日少しずつでも、農業者年金に関する情報が入る方法を考えることが大切だと思います。農業者年金が、ラジオや新聞・雑誌など、メディアで広くPRされれば関心を呼ぶと思います。

中園理事長
おっしゃる通りですね。政策年金ですから国がバックアップするかたちになっていて、運営経費も国がバックアップする仕組みになっています。
毎日少しずつでも、目にはいり耳にはいると、ちがってくるのかもしれませんね。おそらく皆さん、農業者年金の名前は聞いたことはあると思いますが、そこからもう少し、深くほりさげていく活動をしなければならないと思います。これからもご支援をお願いします。

山下会長
はい。しっかりうけとめます。

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