独立行政法人 農業者年金基金

全国農協青年組織協議会(JA全青協) 黒田栄継会長

中園理事長との対談から。役職は対談を行った平成26年12月時点のもの


全国農協青年組織協議会(JA全青協) 黒田栄継会長
くろだ・よしつぐ
昭和51年北海道生まれ。愛媛大学教育学部を卒業後、平成10年に就農。小麦やバレイショなど24ヘクタールを経営。平成26年5月から全国農協青年組織協議会会長に。平成26年12月、農業者年金基金の広域推進協力員に就任。

~一番の魅力は、積立方式であること~


中園理事長
農業者年金のことについて、若い農業者の方々はどのように受け止めてらっしゃるのでしょうか。

黒田会長
青年世代にとっては、年金はまだまだ自分のことではないと考えているのではないでしょうか。北海道では農業委員会とJAがしっかり活動しており、農業者年金や家族経営協定のことなど、就農や結婚の機会に来てくれてしっかりと話をしてくれる。経営移譲の時など地元農委が生活の点でもアドバイスをしてくれる。しかし、話を聞くと全くそういうのがないところもある。農家と最も接点が多いJAが広める場はもっと必要でしょう。

中園理事長
北海道は営農指導などJAの活動が盛んな地域。JAも農業者年金の推進に積極的です。また、北海道は大農業地域。後継者のほとんどが農業に就農しますね。

黒田会長
農業者年金の仕組みは、ありがたいです。将来に不安を抱えながらでは、農業に対する意識が違いますから。

中園理事長
農業者年金のどこに魅力を感じますか。

黒田会長
しっかり国が支える政策年金であるところと積立方式であること。特に自分で考えて積み立てたものが将来、年金として帰ってくるというのが一番の魅力ですね。

中園理事長
平成13年までの昔の農業者年金は賦課方式という財政方式だったために、年金財政が行き詰まった。平成14年から始まった今の農業者年金制度は積立方式でそういう意味では安心な仕組みです。

~若い世代への紹介を~


黒田会長
 専業農家のための老後保障は、他には何があるかと言えば何もないので、ありがたい制度です。
若い人たちにメリットをどう伝えるか。北海道では本人達がよくわからず、親が子を加入させる場合が多い。農業共済を例にとっても、青年部世代では実際どういうものか分からず掛け金を支払っていたりします。自分たちは、ゆくゆくは経営者になるのだから、そういった制度の勉強をしようと農業共済制度の講座を開いたりしています。農業者年金についての講座もやってみたい。

中園理事長
経営塾のようなものでしょうか。その中で取り上げていただければうれしいです。話をしたからすぐに加入というものではなくても、あのときああいう話があった、後に家族のこととか考える機会がある時に加入していただけると思います。

黒田会長
20代どころか10代で就農する人もいます。経営者になれば農業共済口座を作る。最初は農業共済に興味はないけど、経営者になることで次第にそのことを知る。会社員ならそのシステム全部を把握しなくてもやっていけますが、ゆくゆくは全部自分でやらないといけない農家には重要。農協単位で経営者の育成システムを作っているところもありますが、こういうシステムの中で年金の勉強会のプログラムがあれば良いと思います。

中園理事長
運用についてですが、昨年は利回りが7.75%、100万円あれば7万円の年金原資が増えたという計算です。

黒田会長
少々経営にゆとりがあるなら、貯金よりもメリットがあることを伝えていくことで興味を持つのではないでしょうか。去年も農協中央会さんから情報がありました。

中園理事長
保険料補助については、認定農業者で青色申告者という条件などがあります。

黒田会長
保険料補助については、たしかに認定農業者や青色申告者であることなど条件はありますが、北海道はこれに合致する人が多い。

中園理事長
農業者年金は「政策年金」ですから、保険料補助は若い農業者にとってはとても良い制度です。

黒田会長
「若い世代を支援する」ということでもありますね。農業を、そして生産者を維持するためのシステムと考えられます。これは一つの担い手対策と言える。いろんな角度からJA青年部でも、新規就農者などをどう手助けするかなどをやってきました。農業者年金は、明確な担い手対策として進めて行きたいと思います。

中園理事長
社会保険料控除もあります。

黒田会長
年金などは掛け金が発生するので「お金を取られている」という思いがでてしまいがちですが、社会保険料を控除する利点もある。ライフプランを交えた経営指導などが今後必要ではないでしょうか。経営指導を親身になって相談できるのであれば、農業の発展にもなるし、そういうものを求める声もある。紹介する機会を作っていけたらいいですね。


~農業者年金は、家族の支えであり、地域の支えにもなる~


中園理事長
自分の個人口座だけの話というものではなく、家族はどのくらいお金が必要かということもあります。家族の将来の生活設計から見ることも重要です。

黒田会長
農村に多い同居世帯では、おじいさん、おばあさんのお金というのは、いかにその家族が生きていくかのための「生きたお金」。近所のおじいさん、おばあさんはまだまだ元気で、自分のための年金を最終的には家族のために使っています。
現在、地域から学校が無くなるなど人が減り続け、寂しくなっています。どれだけ寂しいものか都会の人たちには分からないと思います。家族のためでもあり、地域のためにもなっていく農業者年金は、地域を支えるものになれる。そういう情報を若い人たちに発信して行けたらと思っています。

中園理事長
PRが大事ですね。

黒田会長
みんなが入っていて、おじいちゃんおばあちゃんが元気に地域を支えるのが理想的です。地元の人たちを見ていると、年金は頑張ってきた人たちが報われる制度。しっかり自分たちで頑張ってきた、それが人生に跳ね返ってきたことの表れ。頑張った人がすてきな老後を迎えられる。収入も農業は色々と変わりやすいのでこういう年金制度があるというのは大変に良いことだと思います。

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