全国農協青年組織協議会（JA全青協）　善積智晃会長

中園理事長との対談から。役職は対談を行った平成２８年８月時点のもの

よしづみ・ともあき
昭和５４年、熊本県生まれ。３７歳。平成１０年に就農し、花卉４５アール、水稲１．３ヘクタールを経営する。
熊本県青年協委員長、JA全青協理事、同副会長を歴任し、２８年から全国農協青年組織協議会会長。農業者年金広域推進協力員。

～こんなに良い制度なら、もっと早く加入しておけばよかった～

中園理事長
農業者年金は、特に若い方への加入推進が大事だと考えています。
善積会長には農業者年金加入者であることに加え、広域加入推進委員も担って頂いておりますが、加入以前、農業者年金への理解度はどの位ありましたか？
また、農業者年金についてどういう印象をお持ちでしたか？

善積会長
アンケート調査等の結果にも出ていますが、農業者年金について、自分も加入するまではよく知りませんでした。
年金は、まだまだ先のことだという印象を持っていましたし、中身を良く知らなかったので、年金＝あまり良いものでは無いという印象も持っていました。

中園理事長
そのような中、どのような経緯で農業者年金に加入しましたか？

善積会長
親が農業者年金に加入していたので、一昨年、経営移譲等を行う際に、農業委員会から農業者年金制度を教えて頂き、自分も加入をしました。
若い頃は年金保険料を支払うぐらいなら貯金をした方が良いとも思っていましが、農業者年金制度について知れば知るほど、こんなに良い制度ならもっと早く加入しておけば良かったと思いました。
制度を理解した今では、若い人に、早いうちから老後の安定した生活のため、色々と考えて農業者年金に加入して欲しいと思っています。

～積み立て方針という安心感、経営者としては税制優遇なども魅力～

中園理事長
農業者年金において特に魅力に感じる点はなんですか？

善積会長
まず、積み立て方式という点に安心感があります。さらにそこへ運用益が加わることも魅力です。
また保険料の一部補助という政策支援があるので、そこまで負担にはならないことも若い方には魅力だと思います。長いスパンで保険料を支払うには、負担は少ない方が良いと思いますし、経営者の感覚からすれば、社会保険料の全額控除などの税制優遇措置も大きいと感じます。

中園理事長
積み立て方式は、自分の年金を自分で積み立てるという部分で、安心感がありますよね。
また、掛け金の変更なども自由に出来ますので、個々の経営状況に合わせることができます。支払保険料の全額が社会保険料控除の対象となり、所得税や住民税の節税対策になります。前納制度を利用して、その年支払った額ともに申告すれば大きな節税効果が得られます。

善積会長
農業ですから、経営状況が変わっていく可能性もあります。ですから保険料の変更、加入・脱退などが自由なのは大きな魅力ですし、保険料が全額社会保険料控除というのも大きな魅力です。

～加入者・受給者の声を同世代の若い農業者へ伝えていきたい～

中園理事長
このような農業者年金ですが、若い農業者へむけてどのように制度をPRしていくべきと考えますか？

善積会長
自分の考えとしては、若い農業者が集まる時には、今後の農業経営を考える機会を作り、その中で農業者年金に加入した方から今後のライフプランを踏まえた話を聞くような機会を作って、農業者年金を知ってもらえればと思います。
実際に受給者している方に加え、同世代の若い加入者がその良さを伝える事も良いと思います。
若い世代は、年金受給にまだ実感が持てない部分もあるかと思いますが、こんな良い制度があるということを私も同世代に伝えて行きたいと考えています。

中園理事長
私たちも加入者の声は重要だと考えおります。色々な場面で、加入者、特に若い方の声を事例にあげて紹介していきたいと考えています。そのような中で横のつながりなども大切にして、農業者年金を知ってもらえればと思います。

～～親世代も一緒になって老後の事を考えてほしい～

善積会長
農業者年金制度は農業者のためにある制度。まずは農業者年金を知ってもらうことが大事だと思います。
それと、親世代への理解が進まないと、若い農業者は加入しづらい部分もあります。ですから、親世代にも一緒になって老後の事を考えて欲しいと思っています。
JAや農業委員会などが連携して、これからも農業者のために農業者年金への取組を実施して頂ければと思います。